SYNC 1.0 
「自律と再編集」

“ Autonomous and Re-edit ”

【ゴシック建築】「割り算の建築」と呼ばれるように、まず全体がありそれらを部分へ部分へと細部に分割していく手法がとられていく。それは1つの要素を取り除くと全体が崩壊するバランスの構造(=1つ1つが特殊な関係で結ばれている)といえる。まさにキリスト教西洋文明の世界観と一致し、神がデザインした絶対的な世界、つまり、1つ1つの空間に役割が定められている。→【ゴシック建築的ジュエリー】例えば、中心に位置する石を引き立てるようメレダイヤをあしらったリング、全てが特殊な関係性で結びつき、1つが崩壊すると全てのバランスが崩壊する点は同じであると言える。

【Mies van der rohe】ゴシック建築と対比して「足し算の建築」と記述されることがある建築家であるが、まず部分(ユニット)があり、必要な数だけ繰り返し全体を成していく手法がとられている。それは構造的安定性を全体のバランスに依存しない、構造を担う1つ1つが安定した構造(=グリッドが部分の平等性を保証する。)であり、それらに特定の役割を持たせない。建築技術の発展もあるが、現・近代の化学の世界観・無限に広がる宇宙と一致している。→【Mies的ジュエリー】今回は部分(ユニット)が全体を構成するエタニティリングに着目し、石の為の爪留めという権威的で限定的な空間から解放することで、Mies的ジュエリーの制作を目指しました。

今回、「自律と再編集」「グリッドの設定と限定的役割からの自由」と「規範をもうけたジュエリーを身体に構築的にレイアウトする行為」と捉え、ジュエリーのコーディネートと共に提案致します。