シルバーの保管について|How to store silver
こんにちは。
ISIRではシルバー以外の商品も御座いますが、2018年のブランド立ち上げ当初から現在までシルバーの商品のラインナップが大部分を占めますので、タイトルの通りシルバーのお手入れについて何回かに分けて書きたいと思います。
”シルバー製品は時間が経つにつれ変色する。”ということはシルバー製品を持っている方であれば経験的にご存知の方も多いかと思います。
変色の度合いは着用される方や、ライフスタイルにより個人差がありますので、一概にどの程度の時間でどのように変化するとは言い切れません。
そもそも何故銀製品が黒く変色するのでしょうか?
銀は空気に接することで、その表面が空気中の硫化水素と反応を起こし、硫化銀という黒い化合物が生じる為です。
つまり黒くさせない為には空気に触れさせなければいいではないか。
その通り。ですが現実的ではありません。
私はジュエリーは身につけてこそ価値があると思っています。シルバーであるからこそ気軽に使いやすいはずなのに厳重に保管してしまった為に使わずじまいになってしまい、気づいた時には黒くなっている。だからシルバーは使いたくない。なんてことになっていたらと思うと少し悲しいです。
そんな私の保管方法は普通に表に出しておく。日常の中で手に取りやすいような場所に陶器のトレーや、布の上に保管する。特別なことはしません。
したがっていずれは黒くなります。それでいいのです。正直な話、銀は銀である以上、放置していればそのうち変色するもの。それにあらがうことはできません。
その様なものとして受け入れて頂いた上でお付き合い頂くのが良いかと思います。そんな素材ですが念を押して言いたいのが"銀は黒くなったとしても何回でも綺麗な銀色の状態に戻せる"ということです。
販売会などでお客様とお話しさせて頂く際によくある会話、
A:”この素材は何ですか?”
B:"シルバー(silver925)です。"
A:"最初はいいけど最終的に黒くなるから嫌いなんですよね。"
B:"簡単なお手入れをしていただければ元通りの色味に戻せますし、我々の方でメンテナンスも可能です。"
A:"でもそれも面倒なんですよね。"
ごもっともなご意見です。
あくまで日常の中で手間のかからない範囲でジュエリーを楽しみたい。その方のライフスタイルや価値観が人ぞれぞれのように、商品に求める要素も人それぞれ。その場合は他素材や、ロジウム・ゴールドメッキ等の商品を購入することをお勧めします。
私が積極的にメッキをしない理由は、長くご愛用いただく上で、1つ1つ手作業で仕上げることで生まれる五感に訴える情報の質の高さに価値を感じているからです。
話は変わりますが、何年か前にフランスに旅行に行った際、比較的高級なレストランへ入ったのですが、ディナーのテーブルには純白のテーブルクロスがかけられていました。日本のレストランでもそういうところは多いなと思っていたのですが、ふと”汚れやすいのにどうして白色なんだろうか。メインとなる料理を引き立てる為なのかな?”など疑問に思い、色々と考えを巡らせていました。後々調べてみると純白は汚れやすいが故に、その白さを維持するということは細やかな所までサービスが行き届き、料理のクオリティの高さや気品を想起させていると記載されていました。(諸説あり)
ジュエリーに関して言うと"経年変化"という言葉をよく聞きます。それは長く使用していくことで素材の色味や質感が少しずつ変化をしていくことを指し、それを愛ていくことを前提とした言葉してとして使われます。勿論素晴らしい考え方であり、日本人の琴線に触れるものかと思います。
一方で、私は"美しい状態を維持しようと努める心もまた美しい"と考えます。
ISIRとしては経年していく様を愛でて頂くのもよし、美しさを維持しようと日常的に手入れすることもよし。お客様の手に渡った作品に関して、私がとやかくいうことはないのですが、選択肢の一つとして一度ジュエリーと向き合っていただけたらと思います。
話が脱線してしまいましたが、次回以降は日常的なお手入れ方法についてご紹介させて頂きたいと思っております。少しでもご愛用いただける様な情報をお伝えしたいと思っておりますので、是非お役立てください。
それでは。
ISIR 松岡
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